細々、山に生きる

このアカマツいくら?

先月切り倒したアカマツの巨木。
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さてこれが市場でいくらの値がつくと思いますか?

末口(梢の方の木口の直径)38cm、長さ8mで真直ぐです。林齢は82歳で木目も詰まっています。材積は1.2m3
高値で売れたとして18000円/m3程でしょうか。
ちなみに普段、伊那の丸太市場でのアカマツの相場は8000円/m3~13000円/m3です。

上記の高値の単価で仮定すればこの一本で約21000円です。

皆さんの予想はいくらでしたか?

この値段、安いと感じますか?高いと感じますか?

実際は、運材費が3000円/m3、市場の手数料が売り上げの約10%かかります。こうした費用を差し引くとこの丸太の値段は1万5千円程になります。更にこの価格から切り出し賃と切った後の枝払い賃、道路際まで丸太を引っ張り出してくる経費がかかります。つまりこんなすばらしい木を1本倒しても儲けはないかもしれないということです。

なかなか林業が「業」として成り立つことが難しいいのは、こうして考えて頂くとわかりやすいと思います。

だからといって、「やっぱ林業はだめだ。」と言ってしまうのは、知恵のある人間らしくありません。

工夫の余地は色々あるかと思います。

例えば市場へ持って行かずこの場で販売する。(お客様を自ら探してくる必要がありますが、運材費、市場手数料が省かれます。)切り出しの効率を良くすることも一つの方法でしょう。

厳しい現実をしっかり理解してその上で、その打開策を考えていく。これができている産業が長く生き残れるのではないでしょうか。
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by k1ro_kanai | 2012-05-06 23:14 | Comments(7)
Commented by tonta at 2012-05-09 18:49 x
大変分かり易く参考になりました。一点だけお聞きしたいのですが、文中の「儲けはないかもしれない」について。この森林は個人の所有林でしょうか、団体の所有林でしょうか。また、この木材を伐り出す業者さんの儲けを表しているのでしょうか、森林所有者さんの儲けのことでしょうか。推測するに、この大きさの丸太を山から伐り出すには、機材の揃っている専門的な業者さんが行うだろうと考えられるので、業者さんの儲けとなるでしょうか。仮に、個人の森林所有者さんからの依頼によってこの木材を伐り出したときは、その方の手元にいくら程戻るのかとても悩ましいですね。個人有林であっても、団体有林であっても、その上に立った産業であるがゆえに。
Commented by k1ro_kanai at 2012-05-09 22:50
この山林は個人の所有林です。私は、施業者としてこの山の伐採(間伐)を委託さています。例えば農業の場合、農地の所有者=施業者になるケースが多いかと思います。しかし、林業は、所有者=施業者でない場合が多いです。私が関わる長野県上伊那地域もそのようです。中には所有者自ら山に手を入れているという方もいますが。tontaさんのおっしゃる通り、機材の揃った専門の業者でなければできない作業も多いこともその理由でしょう。(続く)
Commented by k1ro_kanai at 2012-05-09 22:50
さて、この施業の結果発生した儲けについてです。私、恥ずかしながら悩ましく思っているところです。施業にかかった必要経費は、施業者に支払われるべきと思います。利益が出た場合それは所有者にお返しすべきと思います。しかし、所有者が木も植えず、手も入れず、お金もかけず山とか関わりをもっていないのに利益が出てしまったという場合どうするか。悩ましくなってしまいます。所有者に利益を還元すべきでしょうか?所有者よりも山に真摯に関わってきた施業者がいるのであればそちらに還元するのもよいのかと思います。利益が出た場合、双方に分配するようにあらかじめ申し合わせておくことも策かもしれません。
もっとも、一番山づくりに関わっているのは、恐らく太陽と、水と、土壌でしょうけれども。そちらにも利益還元したいですね。
Commented by tonta at 2012-05-15 21:35 x
森林所有者について一考。今回、取り上げていただいたアカマツの樹齢が82歳。人間界の寿命から換算するに、幼年期にこのアカマツを植えることは難しいことを考えると、現在90~100歳前後の方がこのアカマツに関わった一番近しい森林所有者になるでしょうか。しかし、一般的な年齢から見ても森林所有者は代替わりしていることが推測できるので、植えた木が大きくなりやがて森林から木を伐り出す際には、当たり前かもしれませんが、そのアカマツの誕生を知る人にお支払いするケースは稀でしょうか。
 それこそが、林業の難しさでもあり、ダイナミズムでもあり、面白さなのでしょうか。
文明が発達していながらも国土の約7割を占めるという日本の森林群は、世界でも珍しいと言われているそうです。きっとそこには、お金には代えられない大切なものが遠い昔から存在してる気がします。
Commented by k1ro_kanai at 2012-05-17 23:17
例えば今、木を植える人がいて、その人はその木を売ってお金がほしいと思うのか。写真のように立派に育つのに100年近くかかります。自分が植えた木で儲け得ることはできないでしょう。それでも木を植える人はいます。何を思って植えるのか。未来を思って、自分がなくなるであろう更に先の未来を思って木を植えるのでしょう。間伐などの造林事業もしかり。
森と向きあう上で目先の利益は求められないのでしょうね。たとえ利益が出たとしても、それは先人の思いの賜物であることを忘れてはいけませんね。
Commented by アカマツ at 2014-11-08 10:23 x
山があります。アカマツだらけです。誰が植えたかも不明です。そして、素人な自分が受け継いだ状況下、昨今、山崩れなどの問題があったりで、少しづつ勉強し始めましたところ、アカマツが育ちすぎている山は危険なのではないか、と思い始めました。役場で相談すると、アカマツは伐採して他の樹木が育った方が良いと思う、と言われました。具体的に木を切ることについて検索してみようと思って、貴サイトに来ました。拝読してお伺いしたいのですが、では、自分の持つ山のアカマツをいくらでも差し上げますから切って持って行って下さい、と言ったところで、欲しい人などいない、という理解になるのでしょうか?画像の木ほど太いものももう少し細いものも色々あります。
Commented by k1ro_kanai at 2014-11-08 22:57
アカマツさん〉メッセージ拝読いたしました。山をお持ちなのですね。文章からだいたいの状況はイメージできました。実際に山で仕事をしている立場から少しアカマツについて記させて頂きます。
アカマツは基本的には先駆種(伐採後最初に生える木)です。そのため、いずれ枯れるもしくは倒れて第二世代の樹種(陰樹)に代わっていきます。赤松は天然のものであれば根は割と深く張りますので山崩れに対して一定の抑止効果はあります。しかし、枯れたり折れたりしやすい木です。全国的に松枯れ病が広がっていて病気でいずれ枯れてしまう可能性もあります。枯れてしまえばその処理をするのに結構な金額がかかります。まだ使えるうちに伐採するのはよい考えかと思います。一方、アカマツ林は条件にもよりますがマツタケが出ます。そうしたことを期待してアカマツ林を維持していくことも1つの選択です。
 ご相談にあった、伐採の件ですが、一度山を見させていただけないでしょうか?木が良ければもちろん売り上げを返金できますし、伐採条件が悪い場合は費用が掛かってしまいます。よろしければk1ro_kanai@yahoo.co.jp(金井)までご連絡下さい。いろいろと気にされて勉強もされているようですのでなんとかよい形で力になれればと考えています。
 

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