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細々、山に生きる

木質バイオマス発電の可能性

伊那谷の有志で長野県長野市にあるいいづなお山の発電所へ見学へ行ってきました。県内で唯一の木質バイオマス発電施設です。こちらが発電所の外観。山間地に予想よりこじんまりと建っていました。
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北信(長野県北部)地域の山林からの間伐材などを燃料にして発電しています。発電量は2800kWです。約6500世帯分の電力がまかなえるということです。ちなみに原発1基が100万kWなので、1000分の3くらいの規模しかありません。木質バイオマス発電所の中では小規模に入る施設です。(現在国内最大のバイオマス発電所は川崎市の川崎バイオマス発電所の3.3万kW。原発ってすごいんだな。。)
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運営する組合の理事長が直々に説明してくれました。燃料は間伐材他、松枯れ材、枝葉(それなりに当てになるとのこと)、建築廃材で、海外製の破砕機でチップにしてから燃焼するとのこと。↓これがその破砕の様子。丸太3本が20秒くらいで破砕されてしまいました。2hほどで1日分の燃焼に使うチップが破砕できるそうです。
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2800kWの発電量をまかなうために必要な木材の量はなんと3.5万トン(廃材含む)。約5万m3だそうです。現在長野県全体の丸太生産量(国有林含む)が45万m3なのでかなりの量です。下の写真は燃料となる丸太の貯木場です。これで約2000m3くらいでしょうか。年間にこの写真の50倍燃やすんです。
木質バイオマス発電の可能性_a0254759_2240953.jpg

山林がなくならないか心配です。(※長野県全体で年間約200万m3の森林の丸太材積が成長しているというデータがあるのでこの発電所の稼働だけで森林減少にはなりません。)

燃料を燃やした後にでる灰はセメントで固めて砂利とし、林道整備の素材として再利用しているそうです。すごいですね。↓
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バイオマス発電所の運営には、燃料の調達や施設に関わる法律のクリアなどハードルがいくつもあるようですがうまくやっているそうです。そうした内容についても詳しく教えてくれました。

山で森林整備しようにも間伐した木が使われなくては仕事になりません。現在、間伐材の活用先はまだまだ少ないのが現状です。こうした発電所が小規模分散的に立地することで(※丸太は運材コストが高いため大規模集約化施設での利用は不経済。)森林整備の動機づけにつながればうれしく思います。

今後ともバイオマス発電については継続的に勉強していきたいと思っています。



by k1ro_kanai | 2014-07-09 21:57

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